2009年7月19日5時40分
村で皆既日食を仕切る鳥越哲・経済課参事は「せっかく来てくれた人に出て行ってくれと言うのは心苦しいが、説得を続けたい」と話す。(斎藤徹、白井伸洋、福島慎吾)
■混雑、空も海も
22日は皆既帯の上空や海上も混雑が予想される。
「地上が曇りでも、雲の上に行けば見られる」と、薩摩半島にある枕崎空港(鹿児島県枕崎市)は5分に1機ずつが飛び立つ出発ラッシュになりそうだ。東北や関東、関西などから十数機が集まる予定で、開港以来のにぎわいになるという。
トカラ列島近海に集まる船は、第10管区海上保安本部(鹿児島市)が把握しているだけで177隻。海外の旅客船もある。事前の届け出を求めているが、届け出ない船も多いとみられる。
〈皆既日食と十島村〉 皆既日食は太陽と月、地球が直線上に並び、地上から見ると太陽が月に完全に隠される天文現象。国内の陸上で観測されるのは63年7月の北海道以来。十島村があるトカラ列島は七つの有人島と五つの無人島が南北約160キロに散らばり、全島で6分間ほど皆既日食が見られる。