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多くの常連が無駄死にで無かったことの証の為に・・・ 再び一陣の先頭を守る為に! 正門よ!私は帰ってきた!!

2013年9月21日の屁理屈アネックス

サマリーは当日の屁理屈でも読んでくれ。

「そのほう、遠島を申し付ける」

経緯

オレを写真の道に引きずり込んだ生涯の強敵より撮り歩きの打診があったのだが、行き先は不明。面白いとこならどこでもいいやと思ってたら「21日の夜9時に浜松町に来い」と。その時点で島流しなのはピンときた。きゃつめは天王洲アイルって柄じゃないし夜9時から羽田で飛行機撮影もなかろう。竹芝桟橋21時以降の出発便ということは伊豆諸島のいずれかとして、さてどこに流されるものやら。

数日後、追伸があった。「ガスマスクは要らない」

そんなわけで、流刑地は三宅島と確定した。

愛の流刑地 in 三宅島

竹芝桟橋に着いたのは20時半くらい、お代官様はすでにお待ちかね。オレの罪状は何なのだろう。まあ思い当たることが多すぎるので黙っておいたほうがよさそうだ。してお代官様、あっしはしがない流浪人ゆえ金銭の類はありませんが。

「お主は流刑の身なので旅費の心配はせんでよい」

ついでにニコンボールペンまで頂いてゴキゲンのギガ男爵、不謹慎極まりない。

デッキに上がるとちょうど流人船「かめりあ丸」が到着したところだった。ほどなくして東京港クルーズの納涼船も帰港。えらい人気なのな、出航待ちの客とあわせてあたりがめちゃくちゃ賑わってる。

往路

さて出航。どいつもこいつも罪人のくせに浮かれやがって。

雑魚寝かと思いきや、二等座席を確保済み。ああ、お代官様もいるからか。格安高速バスの4列シートよりもぜんぜん余裕がある。こりゃ楽でいい。だがしかし、ここに座ることはほとんどなかった。

たとえそれが東京港クルーズ程度でも船旅は楽しい。船の揺れや潮風の匂い、見える景色の違いといった表面的なお楽しみ要素はもちろんのこと、他の旅行手段と違うのはじっと席に座っておとなしくしてる必要がないからと思う。出航から5分も経たずにすでに三冠達成してるようなハイテンション(結局五冠達成したのだが)、恐らくドーパミンがドクドク出てる。こりゃルフィが海賊王になると誓ったのも無理ないわ。ってオレもいい歳なんだが、老若男女問わずみんなはしゃぎまくってるから無問題。かつて閣下が「新島が女子高生の処女捨て島らしいから是が非でも行こうぜ!」と騒いでたけど、心身ともにホックが外れるのもわかるわ。これはよい。船旅は、よい。

羽田沖に近づくと着陸する飛行機が真上を通過。すごい迫力。写真はQBK

浦賀水道あたりまでくると陸地の灯りの影響も少なくなり星がきれい。東の空にはオリオン座がもう上がっている。左の明るいのはたぶん木星だろう。ISO3200まで上げると1/2秒程度でもけっこう写るものなんだな。船そのものが揺れてるので長時間露出に意味はない。

オリオン座といえばおんどりゃあ

結局一晩中起きてたwww 月灯りのおかげで水面もけっこう明るく、かすかに途中の島も見える。

ちなみに荷物はみんな通路とかにけっこう適当に置いてる。自己責任はもちろんだけど、もし盗難があると船長権限で全員の荷物検査も実行できるようなので、不心得なことはやめたほうがよい。

三宅島

到着したのは伊ヶ谷港。数刻で夜明けなのだが島の西側なのは残念。

お代官様によると三宅島には旅船の港が3つあり、その日の天候や風向きなど状況に応じて使い分けてるそうな。普段はもっとも栄えているとされる阿古港(錆ヶ浜港)で、伊ヶ谷港を使うのはそこそこ波が高いようだ(乗ってるときはぜんぜんそんな感じはしなかったのだが)。

伊ヶ谷港は2009年から運用の始まった新しい港らしい。離島を差し引いてもずいぶんと寂しい港と感じたのは、そういうことのようだ。わざわざここに港を開いたからには他の2つよりも接岸しやすいなどの理由があるのだろう。

なお刑期は九時間なのであまりのんびりもしてられない。村営バスで阿古まで移動。料金は220円。

・・・こんなとこに5時半に放り出されてもなあ。ちなみに至るところに立ち枯れの木があり、独特の光景を作り出している。たぶん火山性ガスのせいだよなあ。

三宅島(雄山)の火山性ガスの噴出はずいぶん減り、今年の7月からガスマスク不要になった。とはいえ島の真ん中は危険区域に変わりない。二酸化硫黄の濃度が高まると島内放送でアナウンスされるみたいなので、音楽聴きっぱなしでフラフラするのはあまりよろしくないかも。

参考:三宅島観光協会|火山ガスについて

してお代官様、どうすれば?「せいぜい海でも眺めて己の罪を悔いるがよい」

奴隷島ごっこ。これもひとつの、baron in Attackers。

錆ヶ浜は黒い砂浜で小石が目立つ。奴隷島であれば白浜のはずだ。

つか、台風20号の余波がもうきてるっぽくて波が荒い。阿古港の船着場、最初は突端に釣り人がいたんだけど、すぐにお巡りがやってきて立ち退きを呼びかけていた。ほどなくして足元まで波が到達。あのまま釣りしてたら間違いなくさらわれてた。地元の人のいうことは聞くものだ。

波の高さは3m近いか。天気予報で波の高さ聞いてもピンとこないものの、いざ目の当たりにするとこんなの食らったら軽く死ねるわw

近くのふるさと体験ビレッジに向かったもののやってる気配がないので適当に散策。このあたりは1983年の噴火の際に家や学校など340棟が溶岩に飲み込まれたらしい(住人は避難済み)。島中央の活火山雄山はだいたい20年周期で噴火を繰り返しているので、次のドカーンはちょうど東京オリンピックの頃なのだろう。

8時前というのに暑い。雲も空気も完全に夏。

にしてもここがほんとにいちばん栄えてる場所なのか。ぽつぽつ店の姿はあるんだが、やってるところがひとつもない。通りすがりの地元のおばちゃんが親切にも「あそこにラーメン屋があるよ」「あそこのスーパーでお弁当売ってるよ」と教えてくれたのだが、ラーメン屋は閉まってるしやっと開いてたスーパーも弁当は未入荷だった。地元の人のいうことだからってあてにならねえ、ババアはクッキーでも焼いてりゃいいんだ。

先述したようにその日の状況によって船の寄港先が違うから、後先考えずに移動すると今日は反対の港、ということになりかねない。島の周回道路はバスが巡航してるんだけど、1日4本程度なので無茶はできない。あんまり阿古港から離れんほうがよさそうだ。

これはその阿古港の待合所。けっこう新しいのな。

阿古港の桟橋はもうびしょびしょ、ここへの接岸はどう見ても無理。どの港になるかは、その日のお昼頃に島内放送でアナウンスがあるほかネットにも載るようだ。

錆ヶ浜の沖合いに見える3つの大岩は大野原島といい、絶好の釣りやダイビングのポイントらしい。さらに絶滅危惧種であるカンムリウミスズメの繁殖が確認されていることから指定鳥獣保護区に申請されている。

さすがにお昼前ともなるとぼちぼち営業してる店も増え、朝は閉まってたふるさと体験ビレッジの食堂も開いていた。いちばんいいものを地魚のヅケ丼を頼む。お代官様は地魚の寿司盛り合わせにメダイと明日葉のてんぷら。

店員が少ないようで出てくるまでにけっこう時間掛かったけど、メシは旨かった。ネタが冷たくないのは水揚げして間もないのかしら。明日葉のてんぷらはサクサクで味もなんだかポテトチップスみたい。

復路の船は伊ヶ谷港に条件付き寄港らしい。んまあ、船がないならないで、そのときはのんびり観光できるわ、とあくまでも前向きなギガ男爵である(お代官様は豪勢にも飛行機使うとかいってた)。

バスの時間が近づいてきたのでそろそろお暇しますかー、と席を立つと、テーブルの学生っぽい団体客が慌てて会計に向かう。こっちは二人組なんだから先に回せばいいじゃん。しかも個別に会計してるし、出て行ってもドア開けっ放しだし、勝手な連中だ。お代官様もご立腹。

帰りのバスは空いてた。港に着くと、今朝は暗くてわかんなかったけどちゃんと待合室とかあった。相変わらず波は荒れてるんだけど、接岸部分は実におだやか。こうも差があるものかねえ。

八丈島からの折り返し便は15分遅れ、やっぱり波の影響受けてるみたい。接岸の際、その場で180度回頭していた。かなり傾いてたから乗ってたら楽しそう。

その場で回頭(信地旋回)のための横向きスクリュー、サイドスラスター、っていうんだな。かめ丸には揺れ防止のフィンスタビライザーも後付けされたらしい。ないほうが面白いのに。

帰路

さようならー、トンボ帰りでもけっこう楽しかったよ!次来るかはわかんないけどね!

いや三宅島がダメだってわけじゃなくてさ、船旅がこんなにエキサイティングなものとわかれば次に目指すのは当然小笠原しかねえだろ。片道26時間かかるし運航週に1往復だけど。

伊豆諸島はぜんぜん南国じゃない。大島に至っては下田よりも北だし三宅島だってせいぜい三重の尾鷲、八丈島でやっと大分、青ヶ島でも宮崎だ。南国気分の離島を味わうにはやはり小笠原まで行かねばなるまい(奄美~沖縄くらい)。じゃあ沖縄でいいじゃん?そこは飛行機じゃ行けない場所に行くのが男のロマンでしょう。

あれ?気がつくと秋空に戻ってる。どうも新島近海あたりで境があるようだ。もちろん季節によってこんなのいくらでも変わることだけど、夏と秋の境目を横切るというのはなかなか面白い体験。滞在時間は短かったけど、大島で妥協せず三宅島までいってよかった。

さすがに眠くなってきたので座席に戻る。うとうとしてはっと時計を見ると17時回ってる。あー!

二枚目は伊豆半島。

それにしてもあのタイミングでよく目が覚めたというか瞬時に気づいたもんだ。逃して悔しがる人を尻目に悠々と一服。もう帰港するまで寝てても平気だろう。

竹芝桟橋についたところでちょうど巨人が優勝を決める。なんだこの俗世感。定刻から40分ほどの遅れ、途中たいして揺れなかったし速度落としたのかな。

そんなわけで、本土への帰還を許された。もっともこの程度でオレの罪が消えたとはとても思えないので、次はさらに遠くへ流す必要があるのではないか、などと。

釣竿やらダイビング機材やらの大荷物を抱えた集団と浴衣のおねいさんたちが入り混じってぞろぞろ歩くのはなかなかシュールでよい。

えとせとら

航路

伊豆七島を行き来する「かめりあ丸」は3800トン、定員638名の小型客船。喫煙所はBデッキ後部で半分くらいの時間はここにいた。真下にウインチが見えるのでAデッキよりも視界の印象はよいし、Aデッキはレジャーシート広げて宴会やってる集団がいるのでやかましい(こっちもハイテンションなので特に不快なわけじゃないだが、うらやましくなるんだよ)。Cデッキには食堂もあって常に賑わっていた。2等座席はD&Eデッキだけど搭乗口まで近いし不便に感じることもなく。なお三宅島・八丈島航路の客船は、来年7月に5700トン、定員1000名の新造艦が導入されるらしい。完成イラスト見ると屋根なしデッキがあるので、夜空を楽しむにはいいかも。

これは8月30日の様子。11月の進水式に向けて艤装もだいぶ進んだっぽい。進水式ツアーは満員御礼だし下関まで行ってられないので、今から狙うならめいでんぼやーじゅか。

参考:さるびあ丸&かめりあ丸 スーパーエコシップ橘丸 東海汽船新船プロジェクト

ちなみにさるびあ丸と橘丸には船首にバルバス・バウが採用されている(かめりあ丸にはない)。さるかめ丸も橘丸も東海汽船のサイトでは“大型客船”とされてるけど、本格的なクルーズ客船は2万トン級がザラなのでどんなに甘く見積もってもせいぜい中型という印象(日本最大のクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」は5万トン、世界最大の「オアシス・オブ・ザ・シーズ」は22万トン)。ま、定期航路の貨客船としては大型なのかもしれないが、それにしたって「おがさわら丸」だって9700トンあるわけだし、フェリーまで含めたら「さんふらわあ」はおしなべて1万トン級だし。

お代官様に教えてもらったんだけど、客船や貨物船のトン数は軍艦などにおける排水トン(重量トン)ではなく船舶の大きさを示す容積トンが使われるらしい。

宴会やるなら乗船は早めに並んだほうがいいかな(30分前で楽勝)。折り返し運航だから下船の際にはアナウンスが急かすこと急かすことw お代官様も呆れ顔。

DQN二人組。ここ(船尾)は立入禁止である。落ちればいいのに、と思ってしまったよ。

船酔いはぜんぜんしなかった。もともと乗り物酔いにはめっぽう強いんだけど、家についてからしばらくは、モニタ見てると部屋が揺れてるような錯覚が。ますます小笠原行きたい。

そのほか

携帯は、東京湾抜けるまでは電波届いてたけど外海は無理。島も幹線道路の通ってるあたりは普通に使えるが、山ん中とかまではわからない。あんまりあてにしないほうがいいだろう。

生き物の姿はあんまり見かけなかったけど、行動範囲の問題で今回の滞在時間だとあちこち探し回るのは無理だった。次は「もうおうちに返してください」と懇願するくらいの日程を組みたいところ(現地更新していかないと写真整理や記事書きが絶対追いつかないなw

観光メモ

20年周期で噴火を繰り返す活動ランクAの火山島。今は小康状態だが東京オリンピックの頃に次の噴火があるかもしれない。島のそこらじゅうに噴火の名残がある(つか今見てる景色も次行ったときには変わってるかもしれない。もっとも伊豆七島はすべて活火山島で大島の三原山もランクAで、こちらもオリンピックの頃に噴火しそうな(100年に3回ペースで中規模噴火、前回が1986年)。

離島の常として船便の帰港は条件付きとなるケースがあるので、日程は余裕を持つべき。それと全島に渡って売店等が乏しく、現地調達できるものはほとんどないと思ったほうがいい。

レジャーは釣り、バードウォッチング、ダイビングが三本柱。度重なる噴火のため巨木・古木といった年月のある原生林的な自然は乏しいが、立ち枯れた白木による奇妙な景観は伊豆諸島の中でも三宅島独特のもの。自然による破壊と再生を繰り返す島、という見方もできる。野鳥の楽園なのも、移動力の高い鳥だからこそ新しい生物相にすぐ入り込めるのかも。

密林はむしろお隣の御蔵島のお株。アクセスにはさるかめ丸が利用できるが条件付き寄港となる可能性が高いので、東邦航空のヘリを使ったほうがいいかもしれない。ただし循環飛行のため日帰りは無理(かつ野宿禁止の島なので宿の予約は必須)。

参考:スペシャルオレンジblog|東海汽船・御蔵島への就航率。

海水浴シーズンは本土と大差なし。むしろこっちのほうがシケやすいのではないか。伊豆諸島は泳ぐよりも潜る海かも。また玄武岩系の黒質岩が多いため砂浜は黒く、さらに粒も大きめ。白い砂浜目当てなら西伊豆や新島に行くべきだろう。

マン島TTレースを模範とした三宅島二輪レースはエンデューロとしてWERIDE三宅島が現在も継続中だけど、当初の企画どおりの成功とは言い難い。三宅島でなくてもいいのでは?という疑問を打ち消す何かが欲しいところ。

メシは旨かった。

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