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ビデオカード - NVIDIA GeForce GTX 650
リファレンスボードが1万円台前半(リリース時)。GK107 コアを搭載した TDP 64W のミドルクラスボード。2012年9月発売開始。
メーカーもユーザーも発熱と騒音に苦労させられた Fermi アーキテクチャから、ワットパフォーマンス重視の設計に大きく方針転換した Kepler 世代のエントリーミドルクラスを担う製品。同じくフルスペックの GK107 コアを搭載する GT 640 に対してこちらは VRAM を DDR3 → GDDR5 & 動作クロックアップで差別化を図っているが、発売当時は各所のレビューで「GTX の名に値するのか?」
と散々こきおろされた。というのも GK106 コアを採用した型番ひとつ上の GTX 660 のパフォーマンスが良すぎて GT 640 (GK107-301)との性能差が相対的にショボく見えたからなんだけど、今にしてみると TDP 64W で補助電源不要、実売 1万円以下、Fermi 世代のリネームボードと違いワットパフォーマンスもけっこう優秀で素性は悪くない。
そもそも GTX 660 は TDP 140W とわりとガチな製品に分類されるので、コイツが名前負けしてるのは確かで、GT 740 の中身が GK107-425 コア& GDDR5 と実質的に GTX 650 のクロックダウン版であることからも、GTX ではなく GT なり GTS を名乗るべき製品だった、という主張はおおむね正しい( GeForce 400 番台までは *50 に GTX は使われなかった)。
(当時の)最新ゲームを高負荷でプレイするには苦しいが、実用的なコアクロックやメモリバス幅、GDDR5の採用、DirectX 11.2 サポート、ハードウェアエンコードチップ NVENC の搭載など現代グラボの最低限のスペックや機能は抑えつつ、SLI をサポートしないように割り切った作りによるコストダウンで単体購入とは無縁な層に興味を持たせる BTO 向けボード、と市場でのポジションはけっこう明確だったりする。
ちなみに DirectX 9 世代の Dead or Alive 5 Last Round ( Steam 版)の最低動作環境をギリギリクリアしてる。
600番台はとっくにディスコンとなりアーキテクチャも Maxwell を経て Pascal に移行しているが、2017年現在もローエンド製品の GT 710 / 730 に省電力化された GK208 コアが搭載され Kepler 自体はなかなかのロングライフ。
余談だが、GeForce 600番台のリリース順は 680 → 670 → 640 → 660Ti → 660 → 650 → 650Ti → 650Ti boost で、670 と 640 の間があまりに開きすぎていろいろ試行錯誤していたのがよくわかる。
とにかく Kepler 以前と以降で NVIDIA の GPU は別物といってよく、650 / 660 は新旧の比較基準となるマイルストーンのような存在なので、ベンチマークに対 650 / 660 比、みたいなスケールがあってもいいんじゃないだろうか(あるいは 9600GT あたりを 1 、GTX 660 を 100 とした対数表記でもいい)。まあ統一の物差しにできそうなのは FP16 / FP32 くらいではあるが。
2016-07-23
2013年に調達したドスパラの BTO マシンに搭載されていた。
モノはドスパラ御用達の Palit microsystems のボード。特に OC 等も施されていない。インターフェイスはリファレンスの DVIx2+HDMI から DVIx1+VGAx1+HDMI に変更されている。
ゲームに興味ないのでグラボは正直なんでもよかったし、長いこと、9500 GT との性能差を感じるような機会もなかった。やがてTVMW6 を導入しハードウェアエンコードチップ NVENC の恩恵に与って初めて「グラボってすげえ!」「 Kepler 世代で良かった!」と感謝の念を抱いたのだ。こんなことなら最初から GTX 660 にしときゃよかった。いやあんまり意味ないか。
とまあ、わしが GPU に目を向けるきっかけを作ったのは紛れもなくコイツなので愛着は強い。
3DMark Sky Diver
たぶんたいしたことないのじゃろう。
First Strike は “ not be compatible ”とのこと。
2017-01-09
メイン環境に GTX 1060 を導入したので、コイツを予備機となった二代目エンコードマシーンに移し替えて再計測。
で、CPU が 4770 → Q9400 と大幅にダウンしたにも関わらずなぜか Fire Strike が走るようになっていたw んまあディスプレイの解像度が低いせいじゃろな。
ちなみにメイン環境はこんな感じ。
fps で比べると CPU は 4世代違ってもせいぜい倍なのに対し、グラボは 3世代で 5~6倍の性能アップって Kepler 以降の NVIDIA はほんとどうかしてるぜ(本来は GTX 1050 で比較すべきなのだろうが)。
2017-04-16
Fire Strike の Graphic Score 2236 ってのが実際どんなもんなのか、GTX 650 を移植された予備機にも Steam をインストールしてみた。最新の重量級はさておき、DirectX 9 の DEAD OR ALIVE 5 Last Round なら設定次第でけっこう快適にプレイできる。
接続してるディスプレイが WXGA+ なので解像度を 1366 x 768 に設定してるのだが、これでも影の解像度とアンチエイリアスを最高にするとフレームレート 40 を割ってしまう※(アンチエイリアスは最高設定 SSAA x4 のまま影の解像度を二段落として 1024 x 1024 にすると 60fps をキープできる)。なお Shadow Play での記録がパフォーマンスに影響するようなことは特になし。
内蔵 GPU だと最新世代の HD 630( Core i7-7700 )ですら Graphics Score 937 と千にも満たない。Core i5-3317U のノート( HD 4000 )で試したら設定最低でも 10~15 fps というスーパースロー映像に。んまあ動いただけでもすげえけど、やっぱり外部 GPU とは格段の差があるし、ノートは本質的にゲームに向かないじゃろ。
GTX 1080 搭載のゲーミングノートにはもあるけど単体製品に比べてパフォーマンス落ちるし、デスクトップなら同じ予算で 4K ディスプレイ調達とか、 GTX 1080 Ti マシーンが組めるじゃろ。
補記
GT 740( DDR3 版と GDDR5 版あり )/ GTX 650 / GT 640(2013年にリフレッシュ) の主な差分は次の通り。
トータルの構成は第二世代 Kepler (実質は第一世代 Maxwell に近い)の GK208 にリフレッシュされた GT 640 よりも GTX 650 のほうが GT 740 ( GDDR5 ) に近く、むしろリネームといってもよいレベル。
参考:GeForce GT740速報レビュー! | ドスパラ - 製品レビュー
なお GT 730 は GT 630 のリネームだが、GT 630 自体が GT 440 のリネームで、さらに GT 630 は GF108 コアの Felmi 版と GK108 の Kepler 版の 2種類がラインナップされていた。これを引きずった結果、GT 730 も GK208 の Kepler 版と GF108 の Felmi 版が混在するわけのわからん有様に(んまあグラボではお約束みたいなものだが。
コア表記がなくてもベースクロックや CUDA ユニット数、TDP を見れば両者を見分けることは可能。
脚注
- ワットパフォーマンス
- 俗称ワッパ。電力あたりの効率の良さを示す、ベンチマークスコアを消費電力で割った値(ゆえにベンチマークの種類や実装環境によって値は変化することに注意)。ワットパフォーマンスが高いほうが同じ消費電力で処理できる情報は多いためスリム筐体のように電源に余裕のないマシンにとってかなり重要だが、純粋な処理能力は別の話。高負荷のゲームをプレイする上では参考にしてもあまり意味がない(まず性能ありきで必要となるパーツを揃える、というお話)。
- フレームレート
- ゲームにおけるフレームレートは時間分解能と考えることができる。格闘ゲームは 60fps が基本だが、DOA は処理が追い付かない場合でもフレームスキップを行わないため(全フレームを送出するので) 30 fps だと 1 秒ぶんの動きに 2 秒かけてスロー再生してるような感じになる ≒ 発生 10 フレームの技が実質 20 フレームに。そりゃコンボも決まるさ。
- なお人間の反射速度の限界はおおむね 0.1 秒とされるので、60 fps の場合 5 フレーム以下の動きを見て反応するのはほぼ不可能。
- Shadow Play
- NVIDIA GeForce Experience の目玉機能、ハードウェアエンコーダによるパフォーマンスへの影響を最小限度に抑えた軽快なデスクトップキャプチャ。NVENC に依存する機能なので、B フレームの未サポートといった NVENC の特長がそのまま継承されるが(というよりもゲームのリアルタイム配信を重視してレイテンシ面で有利な B フレームのノンサポートに帰結した可能性が高い)、今んとこ Shadow Play での H.265/HEVC エンコードは未対応で、さらに Pure VFR での記録のみな点には注意する必要がある。
- 現在の名称は“ Share ”に変わったが、一般的すぎてかえってわかりにくく、Shadow Play のほうが通じる。