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コミック - 水穂しゅうし 「創造主の罠」 集英社

1998~2000年に別冊ヤングジャンプで連載。全2巻。

水穂しゅうし - 創造主の罠

『はいすくーる仁義』『ブルジョワ刑事』等で武器や兵器に明るいことを匂わせてきた水穂しゅうしが満を持して送り出したミリタリーアクション。現在でも未解明な部分の多い1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を人間より上位の存在による壮大な実験という切り口で、石棺の地下を舞台に突然変異したミュータントと日米の精鋭による血みどろの戦いが繰り広げられる。人類の創造主によるオーバーテクノロジーによって生み出されたゾンビやエイリアンまがいの超生物に立ち向かうUSSOC(United States Special Operations Command, アメリカ特殊作戦軍)と自衛隊※の姿はとにかくかっこいい(自衛隊活躍マンガの中でも破格のデキ)。

上下わずか2巻なので掘り下げには限度があるし雑な絵に好みはわかれるだろうけど、物理科学と原子力、国際情勢と軍事力、神話と言語学、と異なる属性の軸が世界観にバランスよくミックスされてるし、冗長なシーンが一切なくスピーディかつスリリングに進む展開とそれが活きるコマ割りで密度は非常に濃い。さらにこの短いシナリオの中で多数の登場人物のキャラ分け・キャラ立てがきちんとできてるのはすごい。人類の壁がどこにあるのかが端的に表現されたテーマといい、9条とか反原発とかそいうの抜きに、限界状況に立たされた人間の逞しさと儚さを見事に描き切った傑作と思う。あと神話を取り込んだ作品は多いけど、スラブ神話はちょっと珍しい。

USSOCはいわゆるグリーンベレー(陸軍)やSEALs(海軍)など各軍の特殊部隊を統括するエリートフォース。同様の特殊部隊は世界最強と称された英国のSAS(Special Air Service, 特殊空挺部隊)、フランスのGIGN(Groupement D'Intervention De La Gendarmerie Nationale, 国家憲兵隊治安介入部隊)、ロシアのアルファ部隊(Альфа,旧ソ連KGB第7局破壊工作対策課「A」グループでいわゆるスペツナズのひとつ )、イスラエルのサイェレット・マトカル(有名なモサドは諜報機関)など各国にあるが、自衛隊唯一の常設特殊部隊である特殊作戦群(JGSDF Special Forces Group, SFGp)の創設は2004年で連載時には存在しなかった。またPKFなどの海外派遣を担う中央即応集団(JGSDF Central Readiness Force, CRF)の創設も2007年である。

参考:荒谷 卓-自衛隊は拉致被害者を救出できるか

荒谷卓氏は特殊作戦群創設者にして初代群長。

2015-09-11

これも『イッキ!!』と同じで定期的に無性に読みたくなる。昔はたまーにP2Pで流れてたけど、今は古本でも滅多に見かけなくなった。

この人の作品てセリフのひとつひとつが憎らしいほどシビれるんだわ。マッコイ・フェアチャイルドの最後とかグサグサ突き刺さったよ。