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多くの常連が無駄死にで無かったことの証の為に・・・ 再び一陣の先頭を守る為に! 正門よ!私は帰ってきた!!

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いきもの - カブトムシ。

成虫ペアで 3千円程度。日本の環境に適応した昆虫の王様。おそらく有史以前より生息。

Beetle

わしの住んでるマンションは隣が知る人ぞ知る府中の魔窟“大嶽電機”で、敷地には市の観測木にもなっている巨大な 楠が2本立ちそびえていた。おかげで初夏になると鳩害がものすごくてベランダは防鳥ネットなしではろくに洗濯物も干せない状況だったのだが、群がる鳥のさえずりやその大嶽電機の退廃とした外観もあいまって、市街地とは思えないレトロというよりデカダンな雰囲を醸し出し、さらには夏になると玄関先にカブトムシが普通に転がってるのが住人にとっての風物詩となっていた。がしかし、建物自体の老朽化や付近の子供らが不法侵入して危ないなど、いつ取り壊してもおかしくない状況でもあった。

なんでも府中市内で一、二を争う古さの由緒ある鉄筋コンクリート建築物で、最盛期は海外向けの大型トランスなどを作っていたらしい。魔窟と呼ばれるにはいくつか理由があり、廃墟と見間違う外見のも古さもさることながら、オーナー秘蔵のわけのわからない美術品をよく虫干し?で敷地内に並べており、そのカオス感がなんともたまらなかったわけ。なお屋上に見えるのはオーナーの初めての所有者、サニークーペである。

で、ついにというべきか取り壊しが決定、15階建てのタワマンが建設されることとなり、去年の春先に名物の楠を倒した際には近隣住民も集まり在りし日の談義に花を咲かせていた(わしもしれーっと加わっていたのだが、何しろこの物件に決めた理由が「謎に包まれた大嶽電機の屋上が見える」だったからな!)。

その影響なのかなんなのか、基礎調査の始まった去年の夏(2020年)は例年にも増してカブトムシが大量に沸いたのですよ。

そんなわけで、建物の敷地内だけでなんのかんの 30匹くらい捕獲。

当初は部屋の隅やベランダに餌を適当においてし飼い感覚でよかったんだが、オスメス混在してるからには繁殖にもチャレンジしてみよう、と。衣装ケース(a.k.a. サイド1)を引っ張り出してきて、腐葉土を 10kg くらい調達し適当に放置してみたところ、最終的には 20匹くらいの幼虫が孵化していた。

卵自体は軽くその倍くらいはあったんだけどね。

この幼虫が成長くっそ速い。見る間に衣装ケースが手狭となりもうひとつ追加(a.k.a. サイド2)。それとものすごい大喰らいで、秋口になると 10リットル の腐葉土が一か月で消えてゆく(厳密には半分以上がウンコだらけになる)。最終的にワンシーズンで 30リットル消化。

参考Vシネの帝王

カブトムシの飼育についてはこのひとにきくのが間違いない。

2021-06-26

最終的にオス12匹、メス6匹が羽化に成功。成虫用に衣装ケースを新調(a.k.a. サイド3)めでたく第三世代の孵化を確認したので、単独記事を立ち上げることにした。

  • 成虫のエサはバナナで十分。おなかすいたとき自分のおやつにもなるしいいことづくめ。ただ食欲は旺盛なので10匹とか買ってると毎日 4房とか買うことになる。
  • 昆虫ゼリーはブリーダーみな推奨するが、当たりはずれがあるようで見極めてらんないので無視。あとバナナやるほうがエサやってる感あってよいよ。
  • 食いつきはバナナ>>キウィ>リンゴ。キウィは水分多めで頻繁にやると下痢を起こしやすいみたいなので給料日限定。
  • 幼虫の飼育材は腐葉土。わしはずっとフジコンのマットを使っている。シーズンになるとダイソーでも 3リットル 100円で売ってるが、粒が荒くにおいがカビ臭くて発酵臭とは別のきつさなのであんまおすすめしない。
  • 夜はすごいうるさい。ブーンと羽ばたく音とか、底面をガリガリやってる音とか、けっこうたまらないので毎晩 MOLDEX するようになった。
  • 成虫の死骸は 1日でえげつない腐乱臭が漂ってくるので、名残惜しくても可燃ごみに捨てるか、土に返してやろう。
  • 9~11月の幼虫は週レベルで成長してるのがわかるが、12月に入るとめっきり動きがおとなしくなる(冬眠みたいなものか)。3月くらいからまた活動が活発になってくる。
  • この成長期の餌(腐葉土)はケチったらあかん。入れ替えの際は100均で売ってる篩を使ってフンと土を分別、前の土も多少残してやる。。
  • この入れ替え作業がめんどくさい。なお余った土は燃えるゴミに出せる。
  • 養殖モノ(屋内飼育環境下)では蛹化がやたら早い。4月に入ると終齢幼虫の動きに一斉に変化が見られ、下旬には地表に姿を見せなくなる(通常、糞をするときは地表に出るようで慣らしていてもボコボコになってるのだが、何の変化も見られなくなる)。この時期になったらもう土の入れ替えや撹拌はしないほうがよい。
  • 蛹化が始まったと思ったらら絶対安静。可能であれば終齢幼虫のうちにペットボトルなどに小分けしておくと後が楽かも(俺は放置してたけど)。
  • 終齢幼虫終盤は~あんま深いケースじゃないほうがよい。適宜に撹拌されてればいいけど、あんま深いと底の方がべちょべちょで蛹室に適さず羽化不全を起こす(水分/湿度管理についてはまたそのうち)。
  • 5月上旬には羽化が始まっている。地表に出た形跡があれば、他の蛹室を傷めないよう別ケースに移動しておいたほうがよいだろう。
  • 成虫飼育時に使う土は、別に用意するのがめんどくさいので、幼虫時代のそれと同じにしてる(前年のものを流用)。ただ栄養価は下がってるだろうから、次世代育成用は別に用意。
  • 成虫の飼育をオスメス混在とした場合、オス>>>メスだと年がら年中交尾しまくってるのでメスの体力が持たない。オス1に対しメス2~3くらいが望ましい。
  • つまり混在環境ではメスの死亡率が有意に高いため、また近親交配を避けるためにも随時外部のメスを導入したほうがよいと思われる。
  • 羽化後の成虫をオスメス別に飼育する場合はあまり気を使わなくてよいが、わしみたいに混在させる場合は週にいっぺん掘り返して卵をピックアップし、小分けする。
  • 小分けに使うのは小ぶりのタッパーウェア。孵化前の卵と孵化後の幼虫を同じ容器には入れないようにしてるので、ピックアップの時期別に 5個くらい用意しておくとあとで巣分け?するのに具合がよい。
  • 孵化した幼虫はここに移民。

現在は次世代育成用のケース(a.k.a. サイド4)を新設。

  • 孵化を確認したら慎重にサイド 4 に移民。

メモ

第三世代が孵化したよ!

  • 飼育は成虫・幼虫ともに衣装ケースで十分。深さは成虫で 15cm、幼虫で 25cmもあれば十分だけど、開口面積は飼育密度によって。
  • 成虫育成ケースは通気孔を開けないと蒸れて中の餌がすぐ腐る。専用の防虫ネットもあるけど、ドリルで適当に孔開けて、上から布かぶせるだけでもいい。
  • 通気孔を開けると空気の循環はするようになるが、同時に水分も逃げるので(そのための孔なので)まめに霧吹きで水分を補充したほうがよい。特に孵化ケースや幼虫ケースは適度な湿度を保つこと。
  • あとこいつらひっくり返ると自力で起き上がれないので(羽ばたいても状況好転しないことが多いので)止まり木があったほうがいい。市販のものよりそのへんの枯れ枝を天日で乾かして使うのがいちばんと思う(ケースに入れとくと結局腐るから)。
  • 生木とか灌木とかはどんな微生物がいるかわからないので避けた方が無難かと。
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  • 地中温度が 30を超えないよう管理。わしはタニタの温度計( TT-P01-DG )を用意した。2千円くらい。
  • 冬季は 10℃を切らなきゃまず大丈夫。室外でも霜が下りたりしなければよい。
    • 不要になったマットは燃えるゴミで捨てた。