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お勉強:写真 - カメラとレンズの機能

理屈はわかっても、実装はまた別だからねっ

初稿:2014-06-24 最終更新:2017-04-22

やみくもにシャッター切ればいいってもんじゃない。

あなたのデジカメを使いこなすための唯一にして最高のシナリオがマニュアルの熟読なんです!

撮影モードについて

いまどきのカメラは状況に応じた露出や撮影者の意図を反映できるよう、いろんな自動撮影モードが搭載されている。

露出モード

まずは基本中の基本、露出モード。

ほうっておこう。

露出の基本は全裸中年男性絞りとシャッタースピードであることはきほんで触れた。この組み合わせによっていろんな表現ができるけど、いまどきのたいていのカメラは露出決定のパターンを切り替えられるようになっている。自動露出はAEと略される(後のアナハイム・エレクトロニクスである。

各モードの略称を並べてPSAMPASMと呼ぶこともある(順番はメーカーによって違う)。

マニュアル
絞りもシャッター速度も撮影者が自分で設定する。すべての撮影の基本。略称はM。思い通りのコントロールが可能だが露出変化の激しい状況を苦手とする。
絞り優先AE
絞りを決めるとシャッター速度はカメラが自動設定する。被写界深度を優先させたい場合に用いる。設定範囲はレンズに異存。ニコンの略称はA(絞りは英語でAperture)、キヤノンはAv
シャッター速度優先AE
シャッター速度を決めると絞りはカメラが自動設定。被写体の動きをコントロールする場合に用いる。設定範囲はカメラ本体に依存している。ニコンの略称はS、キヤノンはTv。競馬撮影をしているとシャッター優先で撮ってる人が多い。
プログラムAE
絞りもシャッター速度もカメラ任せのモード。組み合わせは機種のアルゴリズムに拠るが、自分で調整可能なものもある(プログラムシフト)。略称はP

この4つが基本となる。絞りよりもシャッター速度のほうが設定幅が広いこと※、機械式時代はカメラ本体から絞りを制御するのが困難だったこともあり、AE撮影の基本は永らく絞り優先だった。

レンズにも拠るが絞りは開放から最小までおおむね6~8段程度の範囲に限られる(F2.8~F22で6段)。シャッターは最高速こそ上限があるもののスロー側の制約は緩く、エントリーモデルでも10段、上位機種になると15~18段とレンジが広い(1/4000秒~1秒で12段)。

ここで第三の露出

なお絞りとシャッター速度を設定し露出はISO感度で調整するTAvモードを搭載している機種も存在する(マニュアル+ISOオートと働きは同じ)。この場合設定範囲はカメラ本体に依存となる。被写界深度と被写体の動きの両方をコントロールできるので理想的なのだが、割を食うのは画質。鑑賞に耐え得る高感度ノイズ耐性をセンサーが備えていないと実用範囲はせいぜい露出3段前後で、カメラ任せにするのは厳しいかもしれない。常用でISO6400まで使えるようなフルサイズセンサーであればそれなりに有効。

わしもD300時代は感度 800でも心許なかったのでISOオートは無視していたけど、D810を使うようになってからは絞り優先AEでISO感度範囲 64~3200 のシャッター低速限界1/250秒(レース撮影ではISO感度範囲 64~1600 の1/1000秒)がデフォルトになりつつある。6段もあれば絞りと同等の制御範囲だからね。花火とか決め打ちできるときや画質最優先のときは感度固定のマニュアルで撮ってる。

露出補正

基本テクニックのひとつ。カメラ内蔵の露出計はずいぶん精度が上がったけど、常にアタリを出すとは限らないし、適正露出が必ずしも撮影者の意図する絵作りと一致するわけじゃない。そんなときに遣うのが露出補正で、カメラの決定する自動露出パターンに対し、プラスまたはマイナスの微調整をかける。

デジタル化最大のメリットはその場で撮影画像を確認できることに尽きるわけだが、銀塩時代は今撮ったカットがほんとうに適正露出なのか、適正露出でも自分の意図した明るさになっているのか現像から戻ってくるまでわからないため、露出補正もまた撮影状況と自動露出のクセなどある程度の知識と経験のストックを必要とする業だったのだ。それに比べたらほんとうに便利な時代になったけど、やり直しがきかないからこそ一枚の写真を撮ることに対する真剣さが確実にあった。銀塩の頃から撮ってる人が得てして上手なのはそんなところに理由があるんじゃないかな。

オートブラケティング(AEB)

都度撮影画像をチェックできないような状況で、あらかじめ微妙にずらした複数の露出パターンを同時に記録しておくのがブラケティングと呼ばれる機能。後から好みのものを選ぶ、といったことができる。ずらす露出の量など細かく調整できるものが多い。

ただメディア消費量も通常の3倍になるし「なぜ」を考えずにブラケティングに頼ってるとあんまり上手にならないので、常時オンにするのはあんまり推奨したくない。失敗が許されない状況で、連写の必要がない場合など自分で使うケースを線引きするのがいいんじゃないかな。

露出と測光モード

そもそもカメラはどうやって露出を決めているのか、というお話。露出を決めるためにセンサーに当たる光の量を測る作業を測光と呼んでいる。自動露出が製品化されてから今日に至るまでに様々な試行錯誤が繰り返されてきたが、今はこの3つでおおむね落ち着いている。

中央部重点測光

部分測光のひとつで画面中央部の2割前後を測定する方法。日の丸構図向けで、逆光など苦手な状況は多いがクセを掴みやすいこともあってAE初期から現在に至るまで採用され続けている。慣れるとサクサク撮れるが、慣れるまでに時間が掛かるので、中級以上向けかも。

スポット測光

部分測光のひとつで画面の1%とか2%というごく狭い任意の範囲のみを測定する方法。適正露出にする被写体をピンポイントで絞れる、絞りたい場合に用いる。オリンパスのOM-4に搭載されて有名になった。背景にひっぱられず被写体に合わせた露出が得られるけど、構図全体のバランスは取り難く、速写にもあまり向かない。落ち着いて会心の一撃を狙う上級者向けの測光モードだろう。

分割測光

画面を細かく分割、光量の強弱の分布から構図全体の状況を推定し適正露出を算出する方法。OM-4と同時期、ニコンのFAにマルチパターン測光として搭載されたのが最初だが(これが評価されFAは第一回カメラグランプリ大賞に輝いた)、評価測光(キヤノン)など呼び名を変え他社も次々と追従したことからもその優秀さは明らかで、やがて事実上の標準測光方式となった。初心者からベテランまで安心して使えるのはこれだけだろう。FA当時わずか5分割だった測光エリアもD810では9万1千まで増え、アドバンストシーン認識システムと称して色や距離情報も加味して緻密な分析を行っている。

海に沈む夕陽のようなパターンの乏しい逆光、暗いステージにスポットライトで浮かび上がった人物など特殊な状況を別にすれば、基本は分割測光で被写体に占めるハイライトとシャドウに応じて露出補正をかける、というのがいちばん手軽で安定するんじゃないかな。

D810にはハイライト重点測光という、スポット測光向けの状況でもマルチパターンのままで白トビを抑えられる便利モードが備わっている。

シーンモード

プログラムAEをさらに進化させ、ポートレート、花などの接写、スポーツ撮影、夜景といったようにシーンや目的に最適な露出パターンをカメラが自動選択する。シーンセレクト、シーンプログラムなども同じ。コンデジやエントリークラスの一眼に搭載されていることが多い。

以下は代表的なもの。ダイヤルに直接アイコンが描かれてるものと、ダイヤルをSceneに合わせモードは液晶から選ぶようなものがある。

フルオート
カメラが最適と判断したモードで撮影する全自動モード。コテコテの状況ならけっこう信頼できる。たいてい顔認識も発動している。アイコンは色違いとかでいちばん目立ってるAutoが多い。
・・・かつてはオートズームと称してズーミングまで勝手にやる製品も存在したけど、さすがに「そこまで頼んでねえんだよゴルァ」と各方面からボッコボコにされた。そんな教訓があったにもかかわらずアイスタートAF(ファインダー覗くと勝手にAF開始する)とか盛り込んじゃうんだからαとは業の深いカメラというか、そりゃもうカメラが勝手に撮ってるだけで、人は運んで構えるだけの存在さ。
ポートレート
絞りを開いて被写界深度を浅くし、被写体を浮き上がらせる。AFはシングル。フラッシュは自動発光(赤目防止)。たいてい顔認識も発動する。アイコンは人物のバストアップが多い。
風景
絞りを閉じて被写界深度を深くし、画面全体でピントが合うようにする。AFはシングル。フラッシュはだいたい無効。アイコンは山が多い。
接写
マクロモードが備わっている場合は有効にする。AFはシングル。アイコンは花が多い。
コンデジには必ずあるが一眼レフやミラーレスなどレンズ交換式の場合、最短撮影距離はレンズによって異なるのであんまり意味が無い(シャッター速度を上げて手ブレを防ごうとする程度)。
スポーツ撮影
シャッター速度を上げて被写体のブレを抑える。AFはコンティニュアス。アイコンは非常口っぽいの(走る人)が多い。
夜景
感度を上げシャッター速度を遅くして暗い景色を自然に写す。AFはシングル。フラッシュは無効になる。アイコンは月か星と街並みが多い。
夜景+人物
感度を上げシャッター速度を遅くして暗い景色を自然に写し、同時にフラッシュで人物も照らす。いわゆるスローシンクロ。たいてい顔認識も発動する。アイコンは夜景+人が多い。

中には花火とかペットとか海とか水中とかパノラマとかハッテン場とか、より具体的な状況を選べる機種もあるが、上記の6つはたいていのカメラに備わってるスタンダードなものなので覚えておいて損はない。

初心者のうちはかなり重宝する機能だけど効果が必ずしも意図通りになるとは限らず、また自分で表現をコントロールできる上級者が使うことはまずないため高級機にはシーンモードの機能そのものが搭載されていない。シーンモードダイヤルの有無は高級機かどうかの境界線だったりする。たとえばニコンならD810やDf、D300は高級機だけどD750やD7200は普及機の域を超えていない。

ちなみになぜ上級機にないのかというと、シーンモードのスペースがあるなら他の機能のボタン等に割り当てたほうが操作性が向上するから。どんなに便利な機能もメニューの奥深くに眠ってたら使いづらいでしょ。あとダイヤルはうっかり触って回しちゃうかもしれないから、ってのもたぶんあるはず(ロック機構入れたら入れたで今度はとっさに動かしづらいとかね)。

んまあ「あなたのカメラを偉そうに見せるためのチェックポイント その1)」みたいなものだよ。

エントリークラスを持っているのであれば、まずシーンモードで撮影し、(狙い通りでも外しても)そのときの露出の組み合わせやフラッシュの使用状況をチェックするのが効果的かつ上達する使い方と思う。撮影情報は後からEXIFでわかる。

顔認識

コンデジは当たり前、レンズ交換式でも中級機くらいまでは普通に備わっていて、もはや改めてカタログで謳うまでもないようなおせっかい機能。アルゴリズムは枯れてるので誤判定するようなケースはほとんどないから記念写真や身内スナップにはピッタリだけど、構図の中に人物がいるからって必ずしも顔が主たる被写体とは限らない。

カメラにはいろんな便利機能があるけど、撮影者の意図を飛び越えるようなものは、なるべく控えるようにしたほうが、上達すると思うよ。

絞りをカメラ任せにしてしまうシャッター優先オートはどうも使いにくい。もちろん動きを止める止めないも大事だが、設定・・・撮影者にとって表現の基本は被写界深度のコントロール、というのが持論なので、オレは99%の状況で絞り優先とマニュアルしか使わない(絞りもシャッター速度もカメラ任せの“プログラム”は、一眼では一度も使ったことがない)。もっというと、被写界深度の広さは常に意識すべきと思うの。そのためには絞り優先ですよ。

絞り優先で撮るメリットはもうひとつあって、シャッター速度がカメラ任せなのでブレに対して否応にも気を遣うようになることかな。駄作の山を乗り越えればホールディングとか確実に良くなるよ。

オートフォーカスについて

現在発売中のデジタルカメラは、レンズ一体/交換式問わずほぼすべてオートフォーカスを実装している。フォーカス方式とフォーカスモードの違いは最低限知っておくべき。

オートフォーカスセンサーと測距方式

フォーカス≒ピント合わせ。被写体までの距離からピント位置を算出するやり方(アクティブ方式)、センサーに映る撮像でピントを合わせ副次的に被写体までの距離が得られるやり方(パッシブ方式)に分類される。主流はパッシブ方式で、ボディの種類によってだいたい決まっている。

位相差検出式

レンズからの入射光を2つにわけ、それぞれの結像位置の間隔からピントの方向と量を決定する。合焦時の結像位置は決まっている=現在の結像位置を測ればおのずとフォーカスに必要なベクトル量もわかるため高速なピント合わせが可能だが、AFセンサーユニットを別途組み込む必要があること、入射光をセンサー以外に導く必要があることから一眼レフ以外での採用が難しい。

コントラスト検出式

ピントがズレると対象のコントラスト(明暗差)が低くなることを利用し、測距点のコントラストが最大となるようフォーカスを行う方式。撮像センサーとAFセンサーを共用できるため事実上コンデジやミラーレスの標準方式となっている。正確なピント合わせが可能な反面、原理上最大コントラストとなる位置の前後にずらす必要があるため検出に時間が掛かるのが難点。

いずれの方式も測距の対象にある程度の濃淡やパターンが存在しないと迷いまくる。白い壁とかは苦しい。同じ理由で最低限の明るさも必要とするため暗闇とかでは無理。

このほか撮像素子に位相差検出センサーを組み込んだ像面位相差や、コントラスト検出を組み合わせたハイブリッド方式を採用する製品も登場しており「ミラーレスはオートフォーカスが遅い」というのは過去のものになりつつある。が、現時点ではまだ一眼レフ+位相差の組み合わせが安定性、信頼性ともに上回っている。

位相差方式にしてもコントラスト方式にしてもパッシブ方式だが、かつては音波や赤外光で直接被写体までの距離を測るアクティブ方式も存在した。理屈は単純だしフォーカス位置の特定ができるし、さらにパッシブ方式では検出不可能な暗い場所でもピント合わせが可能だけど、ガラス越しでは使えない、ユニットのぶん大型化する、測距点の自由度が低い、遠距離では届かない、消費電力が大きい、とけっこう致命的なものも含めデメリットが目立ちほとんど歴史の闇に消えた。

フォーカスモード~特に動き物相手~

メーカーによって多少呼び名は異なるが、一眼レフやミラーレスではいったん検出したフォーカス位置を固定するシングルモード(AF-S、シングルAF)と、被写体を追尾し常に検出を続けるコンティニュアスモード(AF-C、コンティニュアスAF)の二種類のモードを備えている(コンデジやスマホはシングルのみの製品が多い)。

風景写真や記念写真など被写体が静止している状況ではロックの掛かるシングルAF、スポーツやスナップなど被写体が動きまわる状況ではコンティニュアスAF、と使い分けるのが基本。状況によって自動的に切り替えるAF-Aなんてのを備えてる機種もあるけど何を基準に判断してるのかアテにならんし、それくらい自分で選んだほうがいい。

動体予測

コンティニュアスAFでは、動き続けている被写体に対し次の位置を予測してフォーカス位置を移動させる動体予測と呼ばれるアルゴリズムに自動的に切り替わるものがほとんど。動体予測が行われない場合、どんなに正確で高速なAFであっても測距の瞬間からシャッターが切られる≒センサーに記録されるまでのタイムラグでピントがズレてしまう。ミノルタのα9000に採用され、マルチパターン測光と並んで瞬く間に業界に広がった。

動体予測は電車のように速度と向きが一定であれば極めて正確に被写体を補足しつづけるが、サッカーなどのフィールド競技やブランコなど、ベクトルが一定しないものは苦手(そりゃそうだよね、あくまでも予測であって予知じゃないんだから)。それと被写界深度は後方に広いため近づいてくる被写体よりも遠ざかる被写体のほうがピントが出やすい。

AFロックオン

コンティニュアスAFモードの最中に不意に何かが横切ったり障害物が途中にあった場合、焦点位置が大幅に変動し結果的に続くカットのピントがズレてしまうことがある。これを防ぐために大幅なフォーカス変動があった場合でも直前のピント位置を保つのがAFロックと呼ばれる機能。

上のような場合、手前の柵にピントを合わせようとする動きが入ると次のコマはほぼ確実にピンボケになるわけだ。動きがランダムなフィールド競技で一瞬だけ被写体が視野から外れたときにも効果がある。どれくらいの強さ(大きく変動があってから再度フォーカスを行うまでの時間)でロックをかけるかは状況次第でもあり、またAFロックは裏を返せばフォーカスの追従性が落ちることにもなるため、動きが一定の被写体で障害物が存在しないのであれば(普通のレース撮影な)、AFロックは無効にしておくほうがよい。

QBK(急にブエナビスタが外から来たから)な状況に気づいてレンズを向けてもAFロックかかってるとまず合わない。中山ゴール前のラチ下抜くとか目の前の赤帽が邪魔で邪魔でしょうがないとか、特殊な状況じゃない限り競馬では無効にしておいたほうが無難。デフォルトではだいたい有効になってるので、高いカメラなのに歩留まりが悪い、って人(誰)はチェックしてみては。

親指AF

動きがランダムなフィールド競技系のスポーツカメラマンが多用するテクニックで、通常シャッター半押しで開始するフォーカス動作をファインダー右あたりのボタンに割り当てること。キヤノン使いのプロの間で始まり、現在はニコン含め他社の上位機種にも搭載されるようになった。

シャッター半押しでAFが作動しないため、構図を変えてもピントが変化しない→フレーミングの自由度が増す。またマクロなどでもAFで大雑把にピント合わせ→マニュアルで微調整、といったこともしやすくなる(レンズがフルタイムマニュアルに対応していないとあまり意味がないが)。AFのモードはフォーカスロックの掛からないコンティニュアスAFにしておく。親指を離せばロックしたことになる。つまりはコンティニュアスのオン/オフというわけ。

いっときマスターしようと躍起になったけど、競馬だとあんまり意味が無い(ベクトルが変わらないからね)ことに気づいてやめた。

オートフォーカスとレンズ

レンズ交換式の場合レンズもオートフォーカスに対応している必要があるが、特殊な用途のレンズを別にすれば発売中のレンズの大半はオートフォーカス化されている。

焦点を合わせるにはレンズを移動させる必要があるが、大きく分けてDCモーター(トルクモーター)と超音波モーターの2種類に分かれる。速度、正確さ、静粛性、どれをとっても後者が圧倒的に高性能で、かつては高価なレンズにのみ採用されていたが技術革新と普及によるコストダウンが進んだおかげで低価格帯でも採用されるようになった。もっとも、超音波モーターといってもピンキリでキットレンズに採用されているものと大口径超望遠レンズに採用されているものでは構造や性能がまったく異なるが、それでもDCモーターに比べたら(ry。レンズ選びの重要なポイントだろう。

DCモーターは消えつつあるが構造がシンプルで安価に作れるため初期のオートフォーカスの主流だった。現在でも低価格帯では採用している製品が少なくないが、おおむね遅く、うるさく、迷う。駆動モーターがレンズに組み込まれているものとカメラ本体から軸を介するものがあり、後者はボディとレンズの組み合わせによっては動作しないケースもある。

このほかボディサイズの小さいスマホやミラーレスの一部などではリニアモーターを、フォーカスの動きまで記録されるため正確な位置決めが求められる動画用カメラではステッピングモーターを採用する製品もある。リニアモーターは直接レンズを前後に移動させるので効率がよいものの、マニュアルフォーカスとの相性が悪い(ピントリングの操作は回転方向だからね)。

オートフォーカスは便利だけど万能じゃない。測距点のあるところしか使えないし、ピントを合わせづらい状況だとなかなかシャッターが切れず激写タイミングを逃してしまうこともある。だいたいの位置にピントを合わせたのち二~三段絞り、あとは被写界深度に任せて構図とタイミングに集中する、というのもひとつの撮影技法。マニュアルフォーカス時代から広角スナップではごく当たり前のテクニックだし、望遠でも置きピンはよく用いられてきた。正確なピントも大事だけど、瞬間の空気や表情を捕まえるのがおざなりになっては本末転倒、というお話。

ハメ撮りAVじゃないけど、カンペキな構図&ピント&露出より微妙な手ブレや見切れがかえってハプニングの臨場感をもたらすこともある。カンペキなスナップとはもはやスナップじゃない、そんなニュアンス。

連写と機動性

カメラの性能の指針のひとつに連写性能がある(連射って書いてる人のカメラは改造してレンズから弾でも出るようになってるんだろう)。高いほど動き物や連続したシーンでのシャッターチャンスに強い。おおむね上級機種ほど速いが、デジタルカメラは撮影データをメディアに転送す必要があるため画素数が少ないほうが有利になる。

コマ速度

1秒間に何枚撮影できるか。一眼レフはミラーやシャッターなど機械的な可動部品が多いので高速化するのは大変だ。フィルム時代は特殊な製品を除くと高級機でも5~6コマ/秒が限界だったが(まあ普通は一度に36枚までしか撮れなかったしね)、デジタルでは普及機でも3~5コマ/秒、中級機で5~8コマ/秒、上位機種では10コマ/秒以上となっている。ミラーレスは高速化しやすいので一眼レフの普及機の価格帯でも5~10コマ/秒前後はザラで、上位モデルになると15~20コマ/秒なんてものもある。スポーツ撮影では最低でも5コマ/秒、できれば8コマ/秒くらいは欲しい。もっともD300みたいにJPEGだと8コマ/秒なのに14bit RAWだと2.5コマ/秒なんてケースもあるので仕様をよくチェック。

それと注意しないといけないのは、すべてのコマでフォーカスが追従するとは限らないこと、追従を謳っていても実際の歩留まり(アタリの枚数)は別物ということ。このあたりはレンズ性能も影響するためカタログスペックではなかなか判断できず実機を触って試すまでわからないが、現時点では位相差検出式の一眼レフのほうがまだまだ歩留まりが良い傾向にある。まあミラーレスの性能向上も著しいのでいつか逆転する日も来よう。

スポーツ系の上手な人は頭の中に理想の絵を描いているので漫然と何十枚もシャッター押しっぱなしとかない。狙った構図とタイミングに合わせてジャストになるよう逆算してる。それがめんどくさかったら動画で撮るといいよ。

連続撮影枚数

何枚続けて撮影できるか。撮影データはいったん本体のメモリ(キャッシュ)に蓄えられてから転送されるが、連写速度が上がれば上がるほどメディアへの転送が追いつかなくなり、空きメモリがなくなるとそこで息切れしてしまう。最大連続撮影枚数はキャッシュの容量メディアへの転送速度メディアの書き込み速度一枚あたりのファイルサイズ(画素数)、コマ速度と様々な要素が絡んでくるため、一概にどうい機種が多いと決められない。どんなに高速連写できても続けて10枚しか撮れないんじゃありがたみも半減してしまう。かなり引っ掛かりやすい落とし穴なのでこれも仕様をよくチェック。

コマ速度と撮影枚数

たいていはコマ速度を変更できるようになっている。最高8コマ/秒の機種であっても状況によっては5コマ/秒に落とし長時間の連写をしたほうが、結果的に決定的な瞬間を逃さないことはよくある。

像消失時間

一眼レフ

レリーズラグ

シャッターボタンを押してから実際にシャッターが切れる≒露光されるまでのタイムラグ。当然短いほど優秀で、エントリーモデルで100ms(100ミリ秒)前後、中級機で60~80ms、上位機種で50ms以内といったところ。

レリーズラグそのものをゼロにするのは原理的に不可能だが、あらかじめシャッター半押しからセンサーに露光を開始しておくことでシャッターボタンを押した前後1秒とかのデータを保持しておくような機能を持つものもあり、パスト連写とか、そんな名前が付けられている。たぶん写真が下手になるおせっかい機能なので個人的にはあまり好きじゃない(だったら最初から動画として記録してコマ切り出ししたっていいわけで)。カメラの性能に任せてやみくもに連写なんてのは本来邪道で、レリーズラグをあらかじめ逆算しベストタイミングよりも早くシャッターを切るくらい銀塩時代のベテランはみなマスターしていた。こういうのもロストテクノロジー化していくんだろうか

雑感

まだフォーカスエリアとかストロボとか三脚とかもあるけど、いったん区切り。いっぺんに全部覚えなくてもいい。ちょっとずつでいいからせっかくの機材、使いこなそうぜ。