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お勉強:マルチメディア - 信号規格と映像インターフェイス

世に出回ってる動画ファイルはずいぶんいい加減なものが多い。

初稿:2005年くらい 2013-03-06 大幅加筆修正

ここでは解像度とアスペクト比、動画と色空間、NTSC/PAL/SECAM などの信号規格といった映像の大枠に関する話題を取り上げる予定です。

※わしの書こうとしてたのとだいたい同じことが Video_resize - 森田の講義まとめ Wikiにわかりやすくまとまってたのでどうでもよくなった。

画面解像度とアスペクト比

※はやくもやる気なし!

単に“解像度”だけでも画面の縦横の画素数/ピクセル数で通用しそうだけど、もとは分解能を示す言葉でカメラの話題なんかだと本来の意味で使うことのほうが多いから、やっぱり画面解像度、と呼んだ方がいいんだろうな。でもディスプレイじゃなく映像(静止画でも同じ)そのものの幅と高さをまとめて何て呼ぶか、統一された用語がなかったりする。画素数だと幅と高さのことなのか総画素数なのかわかりにくいし再生時より撮影機材のスペックと間違えられそうだ。そのまんま幅と高さでいいのかなあ。写真だと単に“サイズ”とか“大きさ”で通しちゃってるけど、ニュアンスや対象の曖昧な“大きさ”や“サイズ”よりも寸法がいちばんしっくりする。英語なら dimension of source video って感じかな。実際には source resolution、ソース映像を指してるときが明らかな場合は単に resolution だけど。

それはそうと、映像の大きさを示す場合、480i、720i、1080p といった感じで縦方向のピクセル数にプログレッシブ/インターレースを意味する p/i を付記する方法がよく用いられている。480 は SD、720 は HD / ハイビジョン、1080 は FHD / フルハイビジョン。なお縦方向を用いるのは、横方向のピクセル数はアスペクト比次第で変化するけれども縦方向は基本的に一定の値のため(比率表示も縦を 1 とするのが基本)。

どんな解像度があるかは Appendix にまとめたのでそっちを参照。

アスペクト比

縦と横の比率。同じなら 1:1 の正方形。アスペクト比を適切に設定する目的は、たとえば月がちゃんと丸く見えるように、実物と同じ比率にすることである。ことモニタやスクリーンに関しては、テレビ放送やデジカメほか IT 系では 16:9 など直感的にわかりやすい公約数で表されることが多いが、映画業界では縦横比が 2 倍以上の比率を持つスクリーンが多いせいか、慣例的に 1:1.78 と縦方向の長さを 1 とした比率で表記される。なお縦と横どちらを先とするかについては統一的なルールはない。

アスペクト比にはいくつかの種類がある。

画面アスペクト比( Display Aspect Ratio, DAR
実際に表示される映像の横縦比。
スタンダード( 1.33:1 = 4:3 )、ビスタ(ビスタ 1.85:1 = 37:20 )、シネスコ( 2.35:1 = 47:20 )など映画のスクリーンの比率に対応する呼び名が存在する。さらにワイドなスーパースコープなども存在するが、普通はシネスコまで知っていれば十分。

※ビスタには 1.85:1 のアメリカン・ビスタのほか、1.666:1 ( 5:3 )のヨーロピアン・ビスタも存在する。

なお今日主流となっているフル HD の( 16 : 9 ≒ 1.78 : 1 )は、HDTV の仕様を決定する際に幅の狭い NTSC/PAL( 4 : 3 ) と幅広なシネスコ( 2.35 : 1 )の中間にあたるとして採用された、妥協の産物だったりする( NTSC/PAL、シネスコのいずれを表示しても同じような面積を利用できる≒黒枠となってしまう部分も同じくらい)。4 : 3 をそれぞれ二乗したもの、というのは俗説。
ピクセルアスペクト比( Pixel Aspect Ratio, PAR
デジタル映像を構成する最小単位、すなわちピクセルの縦横比。PAR を変更することで同じ縦横のピクセル数でも出力映像のアスペクト比を変更できる。
たとえば地デジは解像度 1440×1080 で送波されているが、PAR を 1.333:1 ( 4:3 )にすることで画面アスペクト比が 16:9 となるように設計されている。DVD も同じ仕組みで、画面アスペクト比が 4:3 だろうが 16:9 だろうが記録データの解像度はどちらも 720 x 480。
Sample Aspect Ratio, SAR
ソース映像のピクセルアスペクト比。PAR は出力する映像に対して(意図的に)設定するもので、SAR はソースがもともと持っているもの、という使い分けになる。なお SAR をScreen Aspect Ratio = DAR の同義語として用いることもあるので文脈で判断する必要がある。当記事では誤解を避けるため DAR と SAR はきちんと区別する。

頻度の高い組み合わせはそのまま覚えてしまったほうが手っ取り早いが、変則的なソースのときに役立つのがこれ。

参考:ピクセルアスペクト比計算機

解像度と DAR を設定すると相当する PAR が得られる。

ちなみに多くのコーデック、特に MPEG 系はエンコードの際に 16 x 16 ピクセルを最小単位(マクロブロック)として映像の分析や各種処理を施すため、出力映像の縦横ピクセル数は 16 の倍数に限るという縛りが存在する。好き勝手に 1600 x 900 だの 2350 x 1000 みたいな変態解像度にするとエンコードが完走しなかったり再生時にエラーや不具合が生じたりするので基本は 16 の倍数、最悪でも 8 の倍数にするのがお約束。厄介なことにフル HD の高さ1080 は 16 の倍数じゃないのでデジタル放送では 1088 として扱い、余分の 8 ピクセルが表示画面の外になるよう調整している。

H.264/AVC もこの 16 の掟の例外ではないのだが、たとえばフル HD なら表向きは 16 の倍数である 1088…つまりもう 8 ピクセルあるものとして受け入れ、8 ピクセルぶんを 8 x 8 イントラサーチなどを駆使して辻褄を合わせていると思われる。ただこれはエンコーダ/デコーダ(オーサリング/再生環境)の実装に依存するので、最初から 16 の倍数以外指定できないソフトもあるし、再生時にもう 8 ピクセルあるものとして処理することもある。

話がそれかけたが、この 16 倍縛りをクリアしつつ任意のアスペクト比を得るためにも PAR が大事な役割を果たす。

ワイド映像と SD ディスプレイ

アスペクト比変更機能のない古い TV 向けなどのため、ワイド映像の上下に黒枠を入れる場合がある。これはレターボックスなどと呼ばれる手法で下位互換性は高い。ただワイド画面でそのまま表示すると左右に黒枠が発生してしまう(黒枠がなくるよう自動調整する機能を持つものもあるが)。またエンコード時も黒枠のぶんが情報量の無駄であるし、事実上縮小されるに等しいので、個人的にはあまり用いないほうがいいと思う。ただダイジェストなどでひとつの映像に SD とワイドなど複数のアスペクト比が混在するような場合はもう仕方が無いが。

黒枠のぶんが情報量の無駄ではあるのだが、実際には MPEG 系圧縮ではこういった部分のデータはオブジェクト化されほとんど存在しないといってもいい。

なお DVD ではアナウンス映像と本編など、トラックを変えることで異なるアスペクト比の映像を収録することができる。また MKV であれば同一ファイル内でもトラックごとにアスペクト比を設定することは可能。ただし同一トラック内でアスペクト比を混在させる仕組みは今のところ存在しない(フォーマット/エンコード/デコードすべてに影響するし、実装の難易度に比べてメリットがあまりないので今後も規格化されることはないのでは)。

アスペクト比の変更

TV なら TV、PC なら PC と表示する環境が固定であればオリジナルのアスペクト比をどうこうする必要はないのだが、実際には DVD をはじめテレビ向けのソースを PC で鑑賞するようなケースはとても多い。ここで問題になってくるのがピクセルのアスペクト比。

TV モニタも PC のモニタも映像を点の集まり・・・ドット表示している。アナログ放送( NTSC-D1 )のテレビ画面は比率 4:3 で、ひとつのドット(ピクセル)が正方形ではなく縦 11 に対し横 10 とわずかに縦長となっている。DVD 映像の解像度は 720 x 480 ピクセルで素の比率は 3:2 だが、ピクセルアスペクト比( PAR )を 11:10 のテレビ画面に映すとほぼ 4:3 に収まる。ほぼ、としたのはマージンとして左右 8 ピクセルずつ余るため。

色空間

※YUV は種類がいっぱいあってかなりめんどくさいのでいつ書けるかわからない。RGB との変換もめんどくさい。

信号規格

※NTSC/PAL あたりのお話。

放送方式と誤解

実は NTSC 方式という規格はない。NTSC は全米テレビジョン放送方式標準化委員会の略称で、この委員会の定めた標準化規格のうちカラーテレビジョン放送全米標準方式に採用されたカラーコンポジット映像信号の規格EIA RS-170A(のちにSMTPE-170に改訂された)のことを NTSC 方式と呼ぶのが通例となっている。

なお垂直同期周波数は電源周波数と密接な関係にあり、両者に差があると電源の周波数成分がリップルノイズとなり画面に歪みが生じてしまう。そのため NTSC 方式や PAL 方式でも国によって 50Hz だったり 60Hz だったりする。しかも日本は東西で電源周波数が異なるわけだが 60Hz で統一されていて 50Hz の東日本でも自動調整される。

映像向けインターフェイスのメモ

映像関連の端子は PC だけであればアナログ/デジタルで1つずつ覚えとけばほぼ問題ないのだが、テレビや HDD レコーダ、BD プレイヤーといった AV 機器との相互接続まで含めるとけっこういっぱいあって、どれを用意しなきゃいけないのかわかりづらい。

PC 系インターフェイス

VGA 端子/RGB 端子/D-sub15 ピン( DE-15 )
PC におけるアナログ入出力のごく一般的な端子で、RGB コンポーネント映像信号をやりとりする。コネクタ形状は D-sub でゲーム端子や RS232C と似ているが、ピンの配列が 3 列となっているのが特徴。
出力解像度の上限は 2048*1536 。4K/8K には対応していないが FHD 以下であれば必要にして十分なため、2018年現在でも主に普及価格帯の PC やディスプレイは VGA インターフェースを備えている製品が多い。
DVI ( DVI-D/I/A )
PC におけるデジタル入出力の端子。このうちアナログ信号への変換に対応しているものが DVI-I、デジタル専用のものが DVI-D である。前者はピン数 29、後者は 24 (アナログ専用の DVI-A もあるけど使う意味ねえだろ)。最近のディスプレイやグラフィックカードにはごく当たり前に備わっているが、オンボード出力のマザーはまだまだ VGA 端子だけだったりすることが多い。
ちなみに DVI-D/I ではデジタル信号用 24 ピンのうち 18 ピンを使用するシングルリンク( SL )と 24 ピンすべて使用するデュアルリンク( DL )が存在する。後者が必要になってくるのは WUXGA ( 1920*1200 )を超える高解像度の場合で、1920*1080 の HD クラスであればよほど高い垂直同期周波数でもない限り SL でほぼ問題ない。また DL は下位互換性があり SL として使うことも可能なのでケーブルを買い間違えても無駄にはならないが、逆はつらい。
規格がわかりにくいだけでなくコネクタサイズが大きく取り回しの面でも優位性がなかったため VGA を置き換えるには至らなかった。ハイエンドのグラフィックボードには VGA はもとより DVI インターフェイスすら未搭載のものもあり、後述する HDMI や DisplayPort へ移行している。
USB グラフィック
USB インターフェイスで映像信号を送出できるようにした規格。取り扱い的には USB と DVI/VGA 端子の変換コネクタのようなもの。それゆえ導入は簡単でお手軽なんだけど、通信の品質保証の点(※)で専用規格には劣るし(あたりまえだ)、ビデオカードの性能とは別に出力解像度の上限が存在することには留意する必要がある。
DisplayPort
次世代のデジタル入出力規格で、DVI や HDMI で不満のあった端子形状をコンパクトで扱いやすくしているほか、さらに帯域も大幅にアップしている。接続機器をポイント・ツー・ポイントではなくノード的な位置づけとし(ソース機器/シンク機器として定義)、USB のようなディジーチェーンにも対応しているなど夢いっぱいの規格で、対応機器もボチボチ増えてきた。
なお 2017年現在の最新規格は 1.4 で、4K 2160p 120Hz / 8K 4320p 60Hz の転送をサポートしている。民生用規格ではこれが最高なので、裏を返せばマシーン側でそれ以上のフレームレートを叩き出しても出力画面のレンダリング同期はできないことになる。つまり高リフレッシュレート / フレームレートはマシーン( GPU )、モニター、インターフェイスの 3つが揃って初めて達成されるわけだ。

※USB 通信はホストの負荷の影響をモロに受けるので、たとえば I/O で重い処理をしているときに映像に必要なデータの送出が間に合わない可能性がある。通常の DVI などでも画面が固まることはよくあるが、これは映像の生成レベルでの問題であり、I/O がボトルネックになっているわけではない。

AV 系インターフェイス

コンポーネント映像信号/コンポーネント端子
輝度、同期、色それぞれの信号(情報)を別々に送信する規格。3 つに分かれた RCA 端子でやりとりする(たまーに BNC 端子のものもある)。厳密には VGA もコンポーネント通信なのだが、一般的にコンポーネント出力などいった場合、こちらを指すことがほとんどである。デジタル映像の作成や編集で普通に用いられる(というかコンポジットにはそもそも対応してない)。これがついてない業務機器は存在しないといってもよい。
色差方式の違いで NTSC の 480i レベルを扱う Y/Cb/Cr 方式と 720P や 1080i などそれ以上の解像度に対応する Y/Pb/Pr 方式が存在する(厳密にはこれがすべてではないのだが)。両者のピン形状は同じなので、端子周辺の表示などで見分けるしかない。
コンポジット映像信号/コンポジット端子
上記 3 つの信号を合成して送信する規格。RCA 端子はひとつ。一昔前のご家庭のテレビやビデオの標準インターフェイスでよく見かける黄色い端子のアレ(これをイエローケーブルと呼んでる人がいたけど、その名前はすでに 10BASE5 の RG-11 同軸ケーブルで通ってる)。映像では最下層の規格なのだが、高級機器でもアナログ出力しかできないような旧時代の映像資産との互換性を保つためにに備わってることが多い。ただ一度コンポジットに合成した信号を劣化なしに元に戻すのは非常に難しいらしい。
S 映像端子
コンポジット信号から色信号を無理やり分離して別々に伝送する規格。端子形状はマウスやキーボードの PS/2 に似ている。元ソースが NTSC や PAL といったコンポジット情報しか備わっていないものだとこうでもするしかない、という感じ。
D 端子
コンポーネント信号の 3 つの RCA 端子を 1 本のケーブルで賄えるようにした日本独自の規格。VGA 端子を小型化したような端子形状。変換ケーブルを使えばコンポーネント端子とのやりとりも可能だが、映像情報だけでなく各種識別信号やプラグアンドプレイにも対応してるので完全互換ではない。対応する解像度や走査線方式の違いで D1~D5 に分けられており、互換性の有無は機器の実装次第となっているので接続の際には注意が必要である。ちなみに名前はデジタルっぽいけどやりとりしてるのはアナログ信号であり、また著作権にうるさい人たち(誰)からもガードが甘いという物言いが相次ぎ、後述する HDMI に主役が移った。
HDMI
デジタル信号を非圧縮でやりとりする規格。平たく言えば DVI に音声信号及び HDCP 暗号化を追加したようなもの。端子形状(一般的なタイプ A )は USB に似ている。便利な半面、著作権にうるさい人たちに都合のいい規格だったりコネクタ形状がたくさんあってわかりづらかったり、バージョンがいくつかあって 1.4 以上じゃないと 3D に対応してないとかいろいろややこしい。成り立ち上、DVI との接続互換性があるが音声のやりとりは別と考えたほうがよい。
HDCP はその、著作権にうるさい人たちのための仕様なのでアナログ出力の規制の対象とならない自分で撮った HD 映像なんかであれば不要なわけだが、著作権保護規格のAACSは BD 機器なんかのアナログ出力を全面的に禁止する方向で動いてるので、HDMI 端子非搭載機器での再生がめんどうなことになるっぽい。

民生用のデジタルインターフェイスがみなコンポジット前提である理由は、高効率の圧縮のためには人間の目の特性を利用して鑑賞の際に判別できない情報を削減するためである。具体的には輝度差と比較して色差の判別は精度が低い点で、そのために輝度信号と色差信号を分けるのである(色信号の間引きを多めにする)。4:4:4 は間引きなし、4:2:2 は輝度 4 に対して色を 2 にする、といった感じ。

参考:知ってなっとく接続規格 | BUFFALO

HDMI と DisplayPort どっちがいいの?

知恵袋あたりでありそうな質問だけど、HDMI は AV 系、DisplayPort は PC 系規格、というのがヒント。優劣の話ではないのだが、あえていうなら現状だと HDMI2.0 より DisplayPort 1.4 のが高解像度・高リフレッシュレートに対応している(んまあ 4K 120Hz とか 8K 60Hz 対応製品がほとんどないけどね)。4K 以下の鑑賞用途なら HDMI で十分(というか AV 機器だと DisplayPort はオマケ扱いでしょ)、コアなゲーミング性能を追求するなら DisplayPort 、って感じ。

ああ、PC で UHD BD を見るなら HDMI2.0 じゃないと現状厳しい(未検証だけど DisplayPort 経由だと HDCP2.2 がうまく機能しない可能性が高い)。んまあ、UHD BD は普及させる気をまるで感じない規格なので個人的にはかなりどうでもいいというか、そこまでハードル上げられちゃうと BD ( FHD )のアップスケーリングでいいやってなるだろうし、グラボメーカーもわざわざ手間かけて対応する気なさそうだし、配信の 4K のがよっぽど浸透しそうだし、そもそも AACS2.0 も突破されてるっぽいし、先が見えないんだよねえ。

その他のインターフェイス

あまり知られてはいないけど。

HDBaseT
2010年 7月に規格化された、イーサネット上でのオーディオ/ビデオ信号伝送技術。一般的な Cat5e / Cat6 の LAN ケーブルを使って Deep Color や 3D にも対応した HDMIベースの映像やハイレゾ音声のほか電力供給も可能にしている(映像・音声・イーサネット・各種コントロール信号・電源を一本のケーブルで伝送できることから、HDBaseT では 5Play と呼んでいる)。イーサネット同様、最大ケーブル長は 100m ( 4K 60Hz は 70m )だが帯域が上下で非対称(ダウン 10Gbps / アップ 200Mbps )となっているのがポイントで、目的を考えれば納得である。
規格を策定する The HDBaseT Alliance が LG、Samsung、Sony Pictures、Valens Semiconductor で始まったことからもわかるように、IEEE とは無関係な家電製品向けの接続規格である。それゆえ PC 環境での採用はほとんど見受けられないが、AV 機器や放送業務機器での採用は徐々に増えつつある。

個人的にはイーサネットでの電源供給は懐疑的なのだけれども(当然 PoE についても同様)、多くの人にとって配線にあれこれ頭を悩ませることがなくなるので、家電のみならず PC 環境にも波及してくる可能性はある(ただし通常のネットワークとはおそらく別物になる)。別に HDBaseT を否定したいわけじゃなく、要はどこにプライオリティを置くか、というお話(わしはネットワークエンジニアだったから、LAN に余計な仕事をさせたくないのじゃよ)。

Appendix

様々な画面解像度

載せる載せないはわしの好みで選んだ。デジ一眼に慣れてるとフルHDでもたかだか200万画素なんだよね、4K でも1000万画素以下だし。8K ですら D810 には敵わない。

呼称寸法総ピクセル
QQVGA (Quarter-Quarter-VGA)160×12019,200
QVGA (Quarter-VGA)320×24076,800
SIF (Source Input Format)
NTSC Video-CD
352×24084,480
CIF (Common Intermediate Format)
PAL Video-CD
352×288101,376
WQVGA (Wide Quarter-VGA)400×24096,000
HVGA (Half VGA)640×240
320×480
153,600
HVGAW (Half VGA Wide)640×360230,400
VGA (Video Graphics Array)640×480307,200
NTSC SD (Standard Definition)720×480345,600
PAL SD (Standard Definition)720×576414,720
FWVGA (Full Wide VGA)854×480409,920
FWVGA+ (Full Wide VGA Plus)864×480414,720
FWVGA++ (Full Wide VGA Plus Plus)960×480460,800
SVGA (Super-VGA)800×600480,000
UWVGA (Ultra Wide VGA)1024×480491,520
qHD (quarter-High Definition), qFHD(quarter-Full High Definition)960×540518,400
WSVGA (Wide Super-VGA)1024×576
1024×600
589,824
614,400
UWSVGA (Ultra Wide Super-VGA)1280×600768,000
XGA1024×768786,432
HD, ISDB-S/T, SMTPE 292M ( Progressive )1280×720921,600
WXGA (Wide XGA)1280×768
1280×800
1366×768
983,040
1,024,000
1,049,088
XGA+ (XGA Plus)1152×864995,328
FWXGA (Full Wide XGA)1366×7681,049,088
Quad-VGA1280×9601,228,800
WXGA+ (Wide XGA+)1440×9001,296,000
SXGA (Super-XGA)1280×10241,310,720
WXGA++ (Wide XGA++), HD+1600×9001,440,000
WSXGA (Wide Super-XGA)1600×900
1600×1024
(1680×1050)
1,440,000
1,638,400
(1,764,000)
SXGA+1400×10501,470,000
HD, Hi-Vision (ISDB-T)1440×10801,555,200
WSXGA+ (Wide Super-XGA+)1680×10501,764,000
UXGA (Ultra-XGA)1600×12001,920,000
ITU 2K, FHD (Full High Definition) Full Hi-Vision( ISDB-S )1920×10802,073,600
DCI 2K2048×10802,211,840
WUXGA (Wide Ultra-XGA)1920×12002,304,000
QWXGA (Quad-Wide-XGA)2048×11522,359,296
QXGA (Quad-XGA)2048×15363,145,728
WQHD (Wide Quad-High Definition)2560×14403,686,400
WQXGA (Wide Quad-XGA)2560×16004,096,000
QSXGA (Quad-Super-XGA)2560×20485,242,880
QUXGA (Quad-Ultra-XGA)3200×24007,680,000
ITU 4K, QHD (Quad-High Definition)
QFHD(Quad-Full High Definition)
3840×21608,294,400
DCI 4K4096×21608,847,360
QUXGA Wide3840×24009,216,000
ITU 8K, UHD(Ultra-High Definition), Super Hi-Vision7680×432033,177,600

ちなみに SD はハイビジョンなど高解像規格の登場により従来の放送を区別するために生まれたレトロニムである( PC インターフェイスのパラレル ATA に対するシリアル ATA も同じ関係)。もともとそう呼ばれていたわけではない。

IT 業界、放送業界、映画業界それぞれの発展に伴い様々な解像度が誕生した。そのほとんどはコンピュータや携帯端末のディスプレイ解像度。放送・映画業界が少ないのは規格が変わると膨大な設備投資が発生するためと考えられる(ここに掲載していないマイナーなものはいくつもあるが、業界標準には至らなかった)。もっともディスプレイも VGA というデファクトスタンダードが存在するわけだが。

放送業界、つまりテレビの解像度を変更する場合、垂直同期周波数の関係もあって(いろんな意味で)広範囲に影響を及ぼすため、コストの問題を度外視しても移行ハードルはとんでもなく高い(たとえば東日本と西日本で電源周波数が違うの、永遠に統一されないんじゃないかね)。IPv4 → v6 の移行よりさらに難しいんじゃないだろか。

むしろ融通が利くのは映画業界。なぜならそもそも映画館のスクリーンのアスペクト比が変わろうが別に視聴者は誰も困らない。それにデジタル化が進めばアスペクト比の違いを吸収するようなハード・ソフトの開発や運用フローも実現できるだろうし、アスペクト比を意識することなく撮影から上映まで持って行くことも十分可能のはず。ま、過渡期は頭を悩ませるだろうけど、放送業界ほどじゃない。

HD もまた厳密に解像度が決まっているわけではなく、NTSC / PAL のアナログ放送やブラウン管時代の規格である 4:3 の VGA~XGA パネルとは違う新世代の技術や製品を包括する名称に近い。事実 B5 ノートでは 1280x768 / 1280 x 800 の WXGA 以上を HD とすることが多かったし、また地デジ普及期のデジタルチューナー搭載小型液晶テレビも 1366 x 768 の FWXGA パネルの採用が中心だった。ちなみに市販の映像コンテンツの解像度は DVD-Video が 720x480 、Blu-Ray は 1920x1080 ( 上位互換の UHD BD は 4K )で事実上ほぼ統一され※、中間解像度の HD で格納されることはほとんどない。ただし配信やデータ販売では DVD よりもはるかに高品位※かつ FHD ほど処理負荷や帯域(ファイルサイズ)を消費しないことから HD の採用も数多く見られた。アスペクト比の計算のしやすさや MPEG 系アルゴリズムとの親和性から 1280x720p が主流となっている※。

※ HD 配信の主流 720p はアナログハイビジョンや初期の BS デジタル、地デジなどが用いるインターレースの 1080i よりも水平走査周波数が高い≒より多くの描画を行うことができる。

※ DVD メディアに HD 映像を記録する規格はいくつか存在するが、DVD-Video の仕様を外れるため機器によっては再生できない。BDMV は 720p の HD 映像や 480p の SD 映像もサポートしているが、 TV 放映からの転用といったものを除くと HD を選ぶ理由が見当たらない。

※ 1280 x 720 は 4:3 と 16:9 のいずれも整数で割り切れる。また 16 で割り切れるためマクロブロック( MPEG 系動画圧縮では符号化の際に 8x8 ピクセルを最小単位として画面を評価するのが基本で、端数が出るとソフトウェアによってはエンコードエラーや再生不具合を引き起こすこともある)の処理で問題が起きることもない

で、FHD も限りなく後付けに近い。というのも放送系の規格ではそもそもハイビジョンの仕様に水平解像度 720p/1080i/1080p の 3 つが定義されているため、もっとも高品位な 1080p を表すのに用いたフルスペック・ハイビジョンがそのまま定着したと思われる。