お勉強:東京都府中市メモ
暮らすにはよい街。お買い物には不便な街。ギャンブラーにはたまらない街。いろいろ誤解の多い街。
わしの年間ローテーション。
- 1月:(初詣)
- 2月:1 回東京開催
- 3月:(イベント物色中)
- 4月:(中山遠征)
- 5月:2 回東京開催、例大祭(くらやみ祭り)
- 6月:3 回東京開催、流鏑馬
- 7月:東京競馬場花火大会、多摩川競艇場花火大会、(福島遠征)
- 8月:商工まつり、けやきフェスタ、(新潟遠征)
- 9月:(中山遠征)
- 10月:4 回東京開催
- 11月:5 回東京開催
- 12月:(中山遠征)
- 府中市
- 約 30 平方キロ、25万都市(外人比率 1.7 %)の規模からは考えられないくらいマジでいろんなものがある。
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- 東京競馬場( GⅠ級 8 競走は最多、花火大会あり)
- 多摩川競艇場(女子リーグの斡旋が多い、花火大会あり)
- 府中インテリジェントパーク(日本銀行ほかデータセンター多し)
- サントリー武蔵野工場(工場見学可)&サントリーサンゴリアス本拠地
- 読売新聞府中工場(工場見学可)
- 東芝府中事業所&東芝ブレイブルーパス本拠地
- キユーピー西東京営業所&中河原工場
- 日本電気府中事業場(宇宙システム事業部)&旧 NEC ブルーロケッツ本拠地
- 京王電鉄バス本社
- レストラン京王本社(カレーショップ C&C )
- サンドラッグ本社
- さくらコマース / モランボン本社
- 大東京綜合卸売センター(多摩最大級の卸売市場)
- ドン・キホーテ 1 号店
- 府中運転免許試験場
- 府中刑務所&関東医療少年院( 3 億円事件の舞台)
- 警察省警察大学校
- 東京外国語大学
- 東京農工大学
- 東京都立多摩総合医療センター(東京 ER )
- 大國魂神社&武蔵国府跡(武蔵国総社、例大祭)
- 武蔵府中熊野神社古墳(珍しい上円下方墳)
- 馬場大門のケヤキ並木(国の天然記念物)
- 東郷寺(映画「羅生門」のモチーフ)
- 高安寺(足利尊氏開基)
- 浅間山公園(唯一のムサシノキスゲ自生地)
- 航空自衛隊府中基地
- 在日米軍府中通信施設(トロポサイト)
- 府中の森公園&美術館&府中の森芸術劇場
- 郷土の森公園&博物館(大賀ハス@修景池、2000年前の種子から発芽した)
- 東京都立多磨霊園(日本初の公園墓地、都立霊園で最大規模)
- 慈恵院&多摩犬猫霊園(日本最大規模のペット霊園)
- おまけ:東京都のほぼ中央に位置(島嶼部除く)
※ご当地ナンバーは『刃牙道』でちょっと恥ずかしい(付けてるひと見たことない。
- やもするとひとつでもウリになるような、しかも多彩なジャンルのランドマーク的なものがやたらいっぱいある自治体もなかなか珍しいんじゃないだろうか。特記事項以外にも街を縦断する立川崖線のところどころで湧水も見られたり、武蔵国府があっただけに市街地を掘り起こすと何かしら遺跡が出てきたり、旧国鉄下河原線の跡が随所に残ってたり、ノリの地元だったり、さくらコマースの本拠地だったり。
ただ残念なのは、自治体としての府中市はあまり環境保全や史跡保護といった点を重んじてこなかったため、当時のまま保存されている自然や建造物は非常に少ない。一部の市民グループが必死こいて守ったわずかなものがかろうじて残されてる、というのも事実である。また過去の資産に執着がない反面、地元意識が非常に強いのもちょっと興味深い。
- 参考:Yahoo!知恵袋|小金井市か府中市に引っ越し予定ですが、どちらに引っ越すか悩み中です
- 小金井なんぞと一緒にするなってのはまあその通りなんだけど、税金だとか行政サービスが抜群に安いなんてのはただの都市伝説。税収に関しても他の区市町村に比べればはるかにマシというだけで決してあぐらをかけるような状況ではない。市の財政力指数はかろうじて 1.0 を超えているものの、2007年から2012年にかけての財政力指数変動率は- 15.67 %と急激に下落している。もっともこれは府中市の市政運営に何か問題があるというより日本経済そのものの下降線が反映されているにすぎない。それこそ他の自治体はさらに悲惨な状態なのである。みんなもたまには自分の住む街の財政状況を調べてみてはどうだろう(ピュア。
ちなみに平成24年度における全国 813 市区の財政力指数トップは千葉県浦安市の 1.49 ( 1.2 以上は超優良自治体)。理由は説明するまでもないだろう。なお財政力指数 1.0 を超えているのはわずか 37 区市(全体の 4 %程度)で、1.0 を切るとマイナス自治体として地方交付税交付金の対象となる。我らが府中市は財政力指数 1.13 で自主財源比率もおおむね 70 %前後をキープしているが、駅南の再開発により直近の数値は低迷気味。
- ちなみに誤解されることが多いが、東京競馬場は農林水産省管轄であり馬券収益は国庫納付金として還元され府中市には一銭も落ちてこない。ただし東京競馬場は日本でもっとも入場者数の多いギャンブル施設であり、飲食等で訪問者が行き帰りに落とすお金はバカにならない。その意味では府中市の財政に大きく寄与しているといえる。また府中市の競走事業による税収源は競艇だが、府中市の主催は青息吐息の多摩川競艇ではなく平和島競艇である(多摩川競艇の主催は小平市、日野市、東村山市、国分寺市の東京都四市競艇事業組合)。競艇は競馬以上に斜陽産業と化しているが、平和島はまだ売り上げを保っているほうで、府中市は名よりも実を取るのが上手いといえよう。
- なお東京 18 区ってことで衆院選のたび武蔵野市や小金井市とともに叩かれて左巻きなイメージを抱かれることの多い府中市であるが、もともとは狛江や調布、稲城といっしょの東京 22 区だった。それが2002年の選挙法改正で三鷹と入れ替わりになったという経緯がある。鉄道地理的には 22 区のほうがふさわしそうに映るが、地勢的には 18 区というのはあながちわからないでもない。住んでみて初めて実感したけど狛江や稲城との関連性は薄いし、調布まで出るならそのまま新宿まで行っちまうか、ってなる。むしろ小金井や国分寺のほうがよっぽど生活圏(車圏)なんだな、と(まあ三鷹との入れ替えはどうかと思うが)。何がいいたいのかというと、全府中が束になっても武蔵野・小金井連合軍には勝てないので、チョクト憎しといえども府中まで責められるのは甚だ遺憾である(ピュア。
- そもそも刑務所に自衛隊に米軍基地に競馬場に競艇場、さらに大手企業の工場や朝鮮総連と関係の深いさくらコマースと、火種に事欠かなそうな施設がこれでもかと目白押しなのに、府中が舞台の主だった騒動はせいぜい三億円事件くらいなもので、二枚橋処理場の閉鎖やダストボックス廃止といったゴミ処理問題も無難に乗り切ってる(地味なところでは国立衛生研の府中移転計画が中止となったが、住宅街のど真ん中にP3 施設建てるってなりゃさすがに反対もされるか)。贔屓目抜きにしても市政や市民のバランス感覚はかなり高いと思うぞ(まあ見方を変えればコアな部分ではムラ社会でプロ市民の入り込む余地が少ないってのが本質なのだろう)。
そりゃ夜中のドンキ(なにしろ 1 号店だからな!)にはマイルドヤンキーみたいなのが出入りしてるけど、そんなの都心も含め全国どこでも同じだろ。爆音君も週イチくらいで耳にする程度でどこを根城にしてる族なのかわからんわ。だいたい警察大学校とか刑務所とか自衛隊が控える街で物騒な事件なんてそうは起こせないだろ、ってくらい気づけ。
- ウィークポイントは中等教育水準か。市内各高の偏差値はかなり微妙。んまあ、おとなりの国立高校が都内トップレベルなのでおりこうさんはそっちに行くのだろう。
- そんなわけで、訪れたこともないような人が競馬場や刑務所といった印象だけであれこれいってるのをよく見かけるけど、左翼とヤクザの町とかギャンブラーがクダまいている地域とかどんだけネット情報()に毒されてるのかと。垢抜けた雰囲気こそないものの府中はほんとうに住み心地がよい(ただ周辺部はなかなかアクセス悪いので、住むならやっぱ東府中から分倍河原あたりだね)。実際、住民の生活満足度も高いし近隣の市から合併の申し入れもあるくらい。だが断る。合併して府中市にとってメリットありそうなのは味スタや飛行場のある調布市くらいだけど、調布も府中に負けず劣らずの優良自治体だからわざわざ合併する理由がないし、他の市は府中にデメリットしかない。
正確にいえば府中は交通機関や公共施設、福利厚生など自治体のインフラや機能も充実してるので他の自治体が府中を利用する格好の合併にしかならなず、その上で予算まで食われるとなればお荷物以外の何者でもない(むしろお荷物どうしが合併すべきなんじゃないの)。それに府中市は景観行政団体だから、その意味でも未加入自治体との合併は好ましくない。
- なお府中市が 2 つ存在する理由については、以下に詳しい。
- 参考:特選東府中情報|二つの府中市
- 確かにムフは嫌だなあ。
- とまあ、住めば住むほど味のある府中市であるが、教育水準以外の弱点は商業施設の弱さで、特に若者ウケしそうなファッションやサブカル的な魅力がまったくなかった。駅前の伊勢丹にしたってテナントのラインナップはひどいもんである。が、2017年に府中駅南再開発の目玉である複合施設ル・シーニュが完成。さすがに武蔵野市には遠く及ばないが(あっちは何しろ中心地が吉祥寺だからねえ)、調布には肩を並べたのではないか。少なくとも駐輪場問題はほぼ解決したといってよいし、南武線で立川まで出れば大概の用事は済む(パスポートセンターもあるしね)。
- 小金井市
- 文句があるなら自分のゴミくらい自分で片付けられるようになってからいえ、というお話。意味がわからん人は「小金井ゴミ戦争」でググってみそ。
- 参考:当時の小金井市と立ち向かう府中市民
- もっとも、ひとりあたりのゴミ量やゴミ資源化率に目を移すと小金井市は約 50 %という、東京市部はおろか全国的にみても最高水準を達成している。つまり市民のゴミ意識が低いわけではなくプロ市民がゴミ問題をややこしくしているだけなのだ。そこは履き違えないほうがいい。
- 参考:公益財団法人東京市町村自治調査会|多摩地域ごみ実態調査(平成24年度統計)
- P3 施設
- 細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う施設のうち、物理封じ込めレベル 3 の施設。現在では Physical containment という言い回しはせずバイオセーフティレベル、いわゆるBSLと呼ばれている。P3 はまんま BSL-3 で、結核菌、狂犬病、鳥インフルエンザなどの人間や動物に重篤な感染を起こすが通常の条件下では個体間(人から人)の拡散は起こらず、また有効な治療法や予防法の存在する病原体に適用される。
- 危険度でいえば上から 2 番目なので反対する住民の気持ちもわからんでもないが、致死性が高いうえに有効な治療法がなく感染力も強いエボラや天然痘、炭疽菌などを扱う BSL-4 に比べればはるかにリスクは低く、また感染に媒介が必要で集団感染も起こしにくいリスクグループ 3 の病原体がバイオテロに使われる可能性も低い(しかもわざわざ隣が自衛隊の施設を狙うテロリストもいないし、府中基地をテロリストが標的にする理由もないだろ)。個人的には、もし府中に BSL-3 設備があれば、東京 ER との連携や自衛隊による緊急輸送など、むしろバイオハザードやパンデミックに対する効果的な救急医療体制や防疫措置を築けたんじゃないかと思うんだよね・・・。
- ちなみに日本に BSL-4 設備は東村山の国立感染症研究所と理研の筑波研究所の 2 箇所だが、どちらもレベル 3 運用に留まっているため渡航者の病原菌の持ち込みにより実際にレベル 4 運用が必要となった事態に対応できず、検体をアメリカに空輸して確認してもらうというなんともマヌケな出来事(1987年のラッサ熱の事例)もあった。反対、反対、何でも反対!の招いた結果、というお話。現在は長崎大学が BSL-4 施設の運用を検討し、近隣住民との交渉を続けている。
- 設置場所は内外の渡航拠点である国際港・空港や緊急出動のための自衛隊設備地域に隣接した地域が理想ではある。その点で川崎や神戸あたりが適切ではないかと思う次第。