お勉強:濡れ場のタマラン韓国映画
作品メモ「オーロラ姫|Princess Aurora|오로라 공주」
乙女ちっくなタイトルからは想像もつかない、愛娘を殺されたママの「人誅!人誅!また人誅!」な復讐劇。主演のオム・ジョンファ[Uhm Jung-hwa|엄정화]は「今、愛する人と暮らしていますか?」でもそうだったようにもったいぶった乳首の見せ方がどうも。濡れ場もあるにはあるが、オレ様をもってしてもこれで抜くのはちょっと難しい。
ただし作品そのものは傑作だった(日本でDVDが発売されてないのが不思議だけど、ShowTimeなど配信系では日本語字幕版もある。「加害者と被害者を同じ病院には入れんだろ」など細かいツッコミどころはあるものの、全体的に小気味よい流れのおかげで鑑賞中はそんな気にならなかった。意表をつくような展開は少ないが、クライマックス(逮捕シーン前後でいいんだよな?)の盛り上げ方は絶品。特に「乗っちゃダメ」は反則にもほどがある。オム・ジュンファの演技がこれまたエクセレントでめちゃくちゃ泣いちまったじゃないか。締めもきっちり決まってた。「オールドボーイ」を抜いて今まで見た韓国映画の中で一番気に入ってる作品。ちなみに韓国女優のお気に入り番付のトップはペ・ドゥナで変わらず。日本を含め国際的な活動をしてるペ様とはスターとしてのポジションが異なるので比較対象にすべきではないものの、オム・ジョンファにももうちょっと思い切りの良い濡れ場があればねえ・・・。
圧倒的な存在感と凄まじい演技のキレにはただ脱帽するばかりだけど、韓流ファンなら周知のようにデビューからしばらくのオム・ジョンファは女優よりも音楽活動が盛んで、スターダムに上がったのはこっちが先だった。日本で成功した両刀使いなんて近年だとせいぜい今井美樹くらいのもので正直才能の底が知れない(まあ韓国でもこのレベルはほかに見当たらないけど)。
・・・そんなわけで、結末に救いがあるとみるかないとみるか見解が分かれそうだけど、この締めでカタルシスが得られる人間は少なくない割合で存在するかと。それが理性やモラルの、法治主義の限界なのだろう。法なんてものは社会システムの存続が本質であって個の尊重が目的ではないのだから(それを悟らせないのがよい為政者なのだろう)。